2012年12月19日

スタンフォードの自分を変える教室 大和書房 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)



 もともとはスタンフォード大学の講義だったものを書籍化したものです。

 よって、内容はとても実践的です。自分で実際に試し、自分がどう変わっていくかを観察することを勧めています。

 アメリカンジョークがところどころに織り込まれていて、ちょっと和みます。

 意志力には以下の3つがあるそうです。

  ・やる力
  ・やらない力
  ・望む力

 このうち望む力が一番重要で、いろいろ邪魔が入って目標達成できなくなりそうになっても、望む力があれば、もう一度目標に向かって進み直すことができるというわけです。

 目標達成が困難になる理由はいろいろありますが、その対処法について、精神論ではなく科学的に説明してくれています。

  "道徳的によいことをしているような気分になると、よいことをした分、悪いことをしてもかまわないような勘違いを起こしてしまう。" (163ページ)

 例えば、ダイエットで1キロ減ったから、自分へのご褒美としてケーキの一つくらい食べてもいいよね?というような心理は、人間なら誰でもあるそうです。うう…思い当たる。

 心理学ではこのように、善いことした後で、自分が悪いことをすることに寛容になる心の動きを「モラル・ライセンシング」と呼ぶそうです。

 ダイエットは道徳的に善いと思ってやっていると、反動で悪いことをしたくなってしまうので、あくまでも健康な体を手に入れるという、自分の利益のためと思ってやったほうがいいそうです。

  "ドーパミンのおもな役割は私たちに幸せを「追い求めさせる」ことであって、私たちを幸せにすることではないからです。" (189ページ)

 欲しい!という「欲求」や「欲望」を感じている時は、脳の中でドーパミンが放出されるそうです。

 僕はてっきり、ドーパミンが幸せを感じさせるのだと思ってましたが、実はドーパミンは手に入れるまでのモチベーションをもたらすだけで、手に入れた後の幸福感はもたらさないそうです。

 よく、買うまでのカタログを見ている時間が一番楽しいなんて言いますけど、カタログを見てる時はドーパミンが出まくっているんでしょうね。
 
 原始時代は、木の実を見たらドーパミンを出して、木の実をゲットするまでモチベーションを維持することが生き残るために大事だったのですが、現代人はドーパミンのせいで、不必要なものまで欲しいと勘違いしてしまうこともあるそうです。

 例えば大安売り・タイムセール・新商品・試食販売などは、ドーパミンを誘発し、冷静な判断を失わせる効果があるそうですよ。

 じゃあドーパミンは悪者なのかというと、そんなことはありません。ドーパミンが出なければ何にもやる気がしなくなってしまいます。鬱状態になってしまいます。

 つまり欲望自体は良くも悪くもありませんが、欲望によってどこへ向かおうとしてるか、何をやりたいか、どういう場合なら欲望に従ってもよいかを見極められるようになることが大事と説きます。

  "きっと明日ならやる気になると思って、今日やるべきことを先延ばしにしていませんか?" (260ページ)

 ダ〜イエットは明日から〜、じゃないですけど、明日になれば強い自分が現れて、問題を解決してくれるのではないかと、つい期待しがちです。

 未来の自分は現在の自分の延長でしかないのですが、未来は不確実であるために、まるで未来の自分は他人であるかのように思う傾向があるそうです。

 未来の自分を身近に感じるためには、将来の自分を想像してみるだけでも効果があるそうです。

  "悪い習慣も好ましい変化も、ともに人から人へウイルスのように感染する" (274ページ)

 人間にはミラーニューロンという神経細胞があり、他人の行動を見ると、あたかも自分がその行動をしているかのように脳が活動するそうです。

 人間はミラーニューロンによって、他人の行動を理解していると考えられているそうです。

 朱に交われば赤くなると言うことわざがあるように、太っている人の中にいると、自分もつられて太りやすくなるそうです。

 イチローが年棒を下げてまでヤンキースへの移籍にこだわったのも、ヤンキースのチームメイトのやる気がイチロー自身に伝染するということを分かっているからでしょうね。

 また、お手本にしたい人のことを思い浮かべて、あの人ならどうするだろう?と考えると意志力を強くすることができるそうです。

  "何かを考えないようにすると、かえってそのことが頭から離れなくなります。" (310ページ)

 大学の心理学の実験で、「これから5分間、シロクマのことを考えないようにしてください」と指示したところ、被験者たちはシロクマのことが頭から離れなくなってしまったそうです。

 確かに、眠らなきゃ眠らなきゃと思うと眠れませんし、食べちゃいけない食べちゃいけないと思うとずっと食べ物のことを考えてしまいますよね。

 このジレンマから抜けるためには、なんと、あきらめると良いそうです。コントロールしようとしない方が良いそうです。

 シロクマについて考えることを許可されると、逆に考えなくなるそうです。

 人間って不思議ですね!



 望む力があればうまくいくと言いますが、自分が本当にやりたいことを探すことが一番難しいと思いました。
 
 まあ、短期的ではなく、長期的な目標決めて、それに向かってがんばれということですかね。

 脳みその性質についていろいろ知ったので、僕も自分をコントロールできるように試してみようと思います。





posted by あごた at 00:39| Comment(0) | 自己啓発