2012年12月23日

聞く力―心をひらく35のヒント 文春新書 阿川 佐和子



 もう100万部売れたそうですよ。

 なぜ売れたのかというと、単純に面白いからでしょうね。

 阿川さんはエッセイ賞や文学賞を取られているそうですが、文章がとっても自然で、すんなり頭に入ってきます。

 また、いろいろな人とのインタビューのエピソードがそれぞれ面白くて、落語のようにオチがついてます。

  "自分の話をまったく聞いてもらいたくないと思っている人は、そうはいないでしょう。" (41ページ)

 ことわざで、話し上手は聞き上手と言いますが、上手に会話するために、自分が面白いことを言ってやろうとするより、むしろ相手の面白い話を引き出してやろうという姿勢の方がうまくいきますし、モテると思います。

 みんな話したいことがあるんですよね。誰かに聞いてほしいと思っているはずです。

 自分に余裕がない時ほど、つい自分の話ばかりして、相手の話を聞かなくなってしまいますね。それではいけません。

 阿川さんも、インタビュー前にあまり質問を用意しすぎないようにして、まず相手の話を聞き、興味のあるところや面白くなりそうなところを質問して広げていくそうです。

  "「脱線した話」によーく耳を傾けて、じっくり聞いて、とことん楽しむ。" (99ページ)

 インタビューが脱線した時には、無理に本題に戻そうとせず、面白い話なら脱線した方向に話を進め、面白くなさそうなら、本題に戻れそうなキーワードを探し、本題に戻るように質問すると良いそうです。

 そういえば、この本もどんどん脱線していきますね(笑)。

  "「もうこれくらいで対談終わっていいんじゃないのかな。今日は一人でいろいろしゃべり散らしたけれども、一見、躁病的軽薄に見えるこの話のなかに、実は奥深い意味と象徴を見つけることのできる読者と、それができない読者とがいるでしょう」" (251ページ)

 阿川さんが子供の頃から交流がある、遠藤周作さんの言葉だそうです。阿川さんが人生の指針としているそうです。

 なんだ、この本は面白エピソードばかりで、ちっとも「聞く力」の教科書にはなってないように見えるけど、それは阿川さんの狙い通りだったんですね。

 この本のタイトルが、「聞く力」というのはおかしいのではないかという意見がありますが、聞く力を磨くための方法が、教科書のように箇条書きで書かれているわけではなく、一連のエッセイの中に散りばめられているわけですね。

 さすが、売れている本だけあって、万人が楽しめるようになっていますねえ。





posted by あごた at 21:56| Comment(0) | 自己啓発
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